一見、華やかで楽しそうに見えるエミレーツ航空のCAですが、もちろん大変な事もあります。そこで、筆者が感じたエミレーツ航空のCAとして大変だった、デメリット3つを紹介していきます。もちろん不規則な生活や眠れないままフライトへ行くことなどは大前提として割愛します。
働かない同僚CA達
日本のCAさんは厳しい先輩に細かいことを注意されながら、一生懸命働いているイメージがありますが、外国は文化が違います。
国によっても違いますが、庶民がいくような所では日本のような高水準のカスタマーサービスはありません。
まず最初に驚いたことは働き始めるにあたって、エミレーツのフライトに乗って日本からドバイへ行く飛行機の中でした。
目の前に座ったヨーロッパ系のCAさんがジャンプシート(CAが座る席)で堂々と足を組みその上に肘杖をついて座っていたのです。
日本人の私にはとてもショッキングな光景でした。「これが世界一を謳うエミレーツなの!?」と私はとても驚きました。でも、それはまだ序の口でした。
エコノミークラスで働き始めるととにかく衝撃だらけ。ただひたすら喋っているだけで全然働かない同僚や、忙しいフライトなのにサービス中に働きたくないからトイレに隠れる同僚がいたり。
その分働かされるのは真面目なアジア人CAのことが多かったです。
運悪く働かない同僚が多いフライトは精神的にも体力的にもとても大変でした。(エミレーツ航空ではCAの人数が多く、ほぼ毎回初めましての同僚達と働きます)
「30Aのお客さんが水が欲しいと言っているのだけど、私は今別のお客さんで忙しいから持っていってもらえる?」とお願いしても、「OK」と返されるだけで、動いてくれない同僚もいました。
その様な同僚に疲れ切ったのか、中にはすごく態度が悪く働かないアジア人CAもいました。
そして、働かない彼らはたいてい世渡り上手。パーサーやスーパーバイザーが見ているときは働き、ゴマをすり仲良くなり上手くやっていました…こうゆう人ってどこにでもいますよね…。
特に大変だったのは日本のフライトで働かない同僚が多いときでした。
日本のお客さんはサービスに対する期待値が他の国より遥かに高いのです。そして、不満があっても直接は言わず、後でSNSなどに書き込むという特徴があると言われていました。なので、パーサーやCSVは日本のフライトでピリピリしている事が多かったです。
それに加え、私は日本人として日本のお客様にエミレーツで快適な旅をしてもらいたいと思っていたので、1人(日本人CAだけで)でひたすら動き回り、周りが働いてくれないときはいつもヘロヘロになっていました。
幸い日本へのフライトには日本人CAが6人乗務しています。ありがたい事にビジネスクラスやファーストクラスの先輩がサービスが終わった後にエコノミーへ手伝いに来てくれる事が多く、本当に助かりました。
ビジネスクラスに上がると働かないCAは減ってきたので働きやすくなりました。
アジア人差別
次に大変だった事はアジア人差別です。ほとんどの人は私が日本人だと言うと「良い国だね〜」や「日本の文化や日本人の礼儀正しさが大好きだよ」といってくれる事が多かったです。しかし、稀にエミレーツ航空CAやお客さんの中に「アジア人差別かな?」と思うような人もいました。
あるフライトで、オーストラリア人のCSV(キャビンスーパーバイザー)だったのですが、明らかに私に振ってくる仕事が多いのです。
当時はエコノミークラスだったのですが、他の欧米系CAには配膳の時はカート1台、回収の時もカート1台なのに対して、筆者にはなぜか2台ずつ。
他のCAが休んでいるところなのに私に仕事を振ってきたり「流石に何かおかしい」と感じました。
パリの満席フライト(相当忙しいフライトです)でお客さんからも様々なことを言われていたのもあり、サービス後に泣けてきてしまいました。
幸いパーサーが良い人で話を聞いてくれ、その後は手のひらを返したように優しくしてくるCSV。
現実問題、やはり世界に出るとアジア人を下に見る人が多いです。これはどうしようもない事実なので、その中でいかにやっていけるかだと思います。
見た目を磨くのも一つの手だと実感しています。やはり、外見が良いと自分に自信も持てますし、相手も優しくしてくれるのです。私もエミレーツで働いている間に痩せて少し綺麗になったら、周りの対応が違いすぎてびっくりでした。世知辛い世の中です。
エミレーツ航空CAになるためにやっておいた方がいい事にも書いてあります。
当時エコノミークラスの新人だった為、まだ弱かった筆者。エミレーツ航空CAは日系企業とは違った強さが必要になってきます。
やはり何と言っても家族や親しい友人と離れ離れ
最後はやはり日本との距離です。日本を離れドバイで生活すると、日本の良さがより分かってきます。そして当たり前のように近くにいた家族や友人と会える機会が減って、日本に帰れない期間が長いと少し寂しく感じる時もありました。
でもエミレーツ航空では年間30日の有給がもらえたり、日本人は日本のフライトが多く入るので、数ヶ月に一回は家族や友人と会えていました。
有給についてはこちらをご覧ください。
家族が元気な時はいいのですが、筆者はエミレーツで働いている間に祖母を亡くしました。
有給をもらえるのも一親等までなので、両親の時だけです。もしかしたらマネージャーに頼めば休もをもらえたのかもしれないのですが、その時は仕事に行ってしまっていたので、そこから帰ってもお葬式にも間に合いませんでした。
家族と離れ離れで暮らすという事は何もなければ問題ないですが、何かあった時にその距離の遠さを改めて実感します。
エミレーツ航空CAも大変なことはある
最後は少し重たい話になってしましましたが以上の
1.働かない外国人CA達
2.アジア人差別
3.やはり何と言っても家族や親しい友人と離れ離れ
この3つがエミレーツ航空CAとして大変だと感じたデメリットです。
挙げてみると大変な事もありましたが、今は大変だったというデメリットよりも楽しかったメリットの方が大きかったような気がします。
エミレーツ航空のお陰で今は多少のことでは折れない心と小さなことは気にしない技を手に入れました。どんな状況も楽しんだ方がいいですよね。
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